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現年度議案関連質疑 【宇都宮充子】

2006年 第1回定例市会(2006年2月9日〜3月10日)

現年度議案関連質疑

ネットワーク横浜 宇都宮充子

私は、ネットワーク横浜市会議員団を代表して、本議会に上程された市第139号議案、市第155号議案及び市第182号議案について市長に質問いたします。
まず初めに、市第139号議案横浜市魅力ある都市景観の創造に関する条例の制定について伺います。
2004年6月に景観法が住民や地方公共団体の景観に対する関心の高まりを背景に制定されました。これまで自治体のその町らしい歴史的な町並みや自然の景観を守るためと、経済性を優先した無秩序な開発に対する危機感などもあって、全国各地で500以上の景観に関する自主的な条例が制定されています。しかし、その条例は、根拠となる法律がなかったために、景観に関するトラブルを抑止するには不十分でした。しかし、景観法が制定されたことにより、勧告、変更命令、懲役や罰金などの罰則が課せられ、実効性のあるものになっています。
横浜市はこれまで建築協定、地区計画、街づくり協定によるルールや話し合いによる協議、要綱等で街づくりを進めてきました。しかし、これまでの話し合いなどによる指導行政の限界や景観に対する市民意識の高まりもあります。今回提案された条例は、景観法と横浜独自の景観形成に関する条例を組み合わせ、横浜の特徴として、市民、事業者、横浜市が主体的に参加することを柱として策定した点にあると聞いています。よい景観をつくるためには、市民が景観づくりのプロセスにかかわり、地域における景観の現状や今後の目指す目標について、十分に時間をかけ、認識を共有し、議論を深めた上で景観づくりのルールを決めることが重要です。景観づくりには市民、事業者、行政がそれぞれ適切な役割を果たす必要があると考えます。
そこで、この条例を活用した景観づくりのプロセスにおいて、市民、事業者、行政がどのような役割を担っていくのか、伺います。
横浜市はこの条例で景観づくりのルールをつくったり、個別に協議制を導入したほか、協議プロセスの公開についても定めています。条例では、景観法に基づいて届け出を受け、審査するだけでなく、地域の景観づくりの指針の中で、市と事業者が協議をすることで枠にはまらない事業者の創意工夫を引き出すことが盛り込まれています。また、協議を行わない場合などには罰則を課すといった点も規定されています。
そこで、この条例の特徴は協議制の導入と公開性の確保にあると思いますが、そのねらいは何か、伺います。
市民がこの条例を活用して横浜の景観づくりに取り組むことは、自分たちの町を見詰め直すきっかけにもなり、ひいては新しい時代の都市づくりにもつながっていくと考えます。
そこで、この条例を活用した景観形成の取り組みを通しどのような都市づくりを目指していくのか、市長に伺います。
市民にこの条例を広く知ってもらい活用してもらうことが何よりも大切です。市民が町の景観づくりについて話し合って合意形成を進めることが、よい景観をつくっていく活動に発展します。そして、それは市民共通の財産をつくり上げていくことにもつながると考えています。
次に、市第155号議案及び市第182号議案、よこはま協働の森基金事業費について質問いたします。
横浜の緑は年々減少し続け、今や緑被率31.2%までになってきています。今、多くの市民が横浜の緑地の減少、環境破壊に心を痛めています。法改正で建築基準が緩和され、丘陵地の多い横浜では斜面地を利用した地下室マンションが建設されるようになりました。横浜市は地下室マンション条例、建築基準条例を改正して規制し、今はかなり斜面地を利用したマンション建設は減少していると聞いていますが、それでも開発をとめることはできません。市内に残された1,000から5,000平米程度の小規模樹林地は斜面地が多く、約2,000から3,000カ所あります。ある一定程度の広さの緑地は市民の森、触れ合い樹林、緑地保存地区などとして保全施策はありますが、小規模樹林地に対しては対策がなく開発業者にねらわれてきました。
このような中で、2005年に小規模樹林地を保全する施策としてよこはま協働の森基金を創設したことは評価するものです。この事業は、まず身近な樹林地を残したいと思う市民が土地所有者に売却の承諾を得、取得費の1割以上を集め、基金からの拠出金を合わせて買い取り、あとの樹林地の維持管理も行うというものです。この協働の森事業は、市民みずからが発意して樹林地の保全に取り組み、住環境を守っていくことが重要なポイントであり、住民自治につながっていくと考えます。
そこで、市民が土地購入の交渉をし募金集めに取り組むわけですが、市民の思いを実現するためには市の支援も必要と考えます。本市は市民との協働事業としてこれからどのようなサポートをしていくのか、伺います。 また、本市として広く募金を集め、市民がこの制度を活用し緑地保全を進めていくためにも広く周知を図らなくてはならないと考えますが、今後どのように情報発信していくつもりなのか、伺います。 金沢で最初の樹林地取得が決まり、問い合わせもあるなど、かなりの反響があると聞いています。市民の力を発揮して、これから緑地を守る運動が広がることを期待します。
次に、市第182号議案、市民活動推進ファンド事業費について質問いたします。
1995年の阪神・淡路大震災を契機に自主的なボランティアの市民活動が生まれました。その後、1998年に特定非営利活動促進法、いわゆるNPO法の制定によって、市民活動団体はNPOとして社会から注目を集めるようになり、NPOの数もふえてきています。
この横浜では、自分が高齢になったときに必要なサービスを提供し、お互に支え合う仕組みをつくり、活動している市民事業やNPO、そのほかさまざまな分野で必要な生活ニーズにこたえる市民団体が数多く出てきています。バブル経済の崩壊後、自治体財政の逼迫、少子高齢社会に伴う多様なサービスの必要性がある中、行政サービスだけでは対応し切れない現状があります。これまで市民事業、NPOは、単なる行政の下請的、補完的なサービス提供者になっていることもありました。しかし、今、介護保険制度が施行されるなど、事業も拡大し、市民活動も活発になり、地域の中で主体的に役割を担うようになってきています。しかし、財政基盤も弱く補助金頼みとなり、思うように独自の活動ができないでいるNPOもまだ多くあります。また、公益的な活動を行っていながら、今のNPO法では、NPOのほとんどが寄附の税制優遇が受けられない、出資が認められず、自己資本がないため銀行の融資が受けられないなど多くの課題を抱えています。
NPO法制定時に積み残ったNPO法人の資金調達の解決策として、2005年4月、横浜市市民活動推進基金、よこはま夢ファンドが創設されたことは大変高く評価するものです。このファンドは、市民活動に対する支援の環境づくりと財政支援の両面で大きなバックアップとなります。12月末までに70団体が登録をしたと聞いています。欧米のように市民活動を支える寄附社会が定着していない日本で果たしてどのくらいの寄附が集まるか、心配するところでもありました。
今回の補正は寄附金が多く集まったことによるものですが、現時点での寄附の状況について伺います。 今年度は制度創設当初ということで、12月に18団体、527万3,000円の助成金交付を決定しました。予算上、単年度決算のために年度内に使わなければならない決まりになっています。そのため、NPOにとって、今回の12月の助成は年度残りの1月から3月までの3カ月間で事業をせざるを得ないことになり、その活用には厳しい状況があると思います。
そこで、この基金の助成に当たっては、助成金が活動に有効に使われ、登録団体にとって使いやすくなるよう助成時期など配慮すべきと考えますがどうか、伺います。
この制度は、市民活動を支える市民と公益的活動をするNPOと制度を運用する行政とのまさにコラボレーションにより成り立っていると考えます。助成を受けたNPOが基金を生かし、事業を展開することで、市民の気持ちが生かされるものと考えます。
そこで、この基金による助成が市民にとって有益な事業に活用されたことを広くPRすることで、さらにこの基金への理解が高まり、寄附文化が醸成されると考えますがいかがでしょうか、伺います。 福祉NPOのメンバーから、基金に登録されたことで活動が認められたような気がする、これから利用者にこの制度をPRしていきたいという声もありました。市とNPO、そして市民の努力で夢が広がります。これからさらに多くの寄附金が集まり、基金の助成によりNPOの活動が広がることを期待して、質問を終わります。(拍手)

市長の答弁

宇都宮議員にお答えを申し上げます。
まず初めに、市第139号議案についての御質問をいただきました。
魅力ある都市景観の創造に関する条例における市民、事業者、本市の役割についてということでありますが、市民はみずからの建物等が景観の一部となることを理解して、主体的に地域の景観ルールづくりや運用段階に参加するなど積極的な景観づくりにかかわること、事業者は景観形成の趣旨をよく理解して、より質の高い計画をつくって実現を図ること、我々市は全市的な景観形成の方向性を示しながら、市民の活動を支援し、事業者を適切に誘導することなどの役割があります。三者がそれぞれの役割を積極的に果たすことによりまして、より魅力的な景観づくりを行いたいと考えております。
協議制の導入のねらいについてということでありますけれども、協議をすることによりまして、事業者と市がルールに定めた目標の実現に向けて相互に提案や意見交換を行って、そして創意工夫を引き出して、より魅力ある景観の創造を図るためであります。
また、公開性の確保のねらいについてでありますけれども、事業者と市との協議経過の公開や都市美対策審議会での公開審議等によりまして、市民がみずから参加してつくった地域の景観ルールなどを適切に運用していくためであります。
景観形成の取り組みを通した都市づくりについてでありますけれども、市民や事業者が独自の工夫や知恵を生かした取り組みをすることによって、町の魅力を相互に共有して、責任を持って守り育て、その結果として市民が愛着を持つことができる快適で潤いのある都市づくりを目指してまいりたいと考えています。
次に、市第155号議案についての御質問をいただきました。
本市の協働事業としてのサポートについてでありますけれども、市民、地域からの相談に対しては、局区が一体となって本制度の案内や緑を残したいという市民、地域の熱意を土地所有者へ伝えて理解を求めてまいります。また、申請団体の樹林地の保全に向けた活動状況などを本市ホームページで紹介するなどの支援をいたしてまいります。
今後どのように情報発信していくかということについてでありますけれども、これまで広報よこはまやチラシ等によりまして事業内容を周知してきたほか、市町内会連合会及び各区の連合町内会長会や公園愛護会長等への事業説明を行ってきたところであります。今後も、関係局区の連携やホームページ等での周知を図っていくほか、企業、団体等に対する基金への募金活動の中で制度のPRに努めてまいりたいと考えています。
最後に、市第182号議案関連について御質問をいただきました。
市民活動推進ファンドの現時点での寄附の状況についてでありますけれども、1月25日現在で60件1,176万円となっております。なお、寄附者の意思を尊重するということがこのファンドの特色であることから、特定の団体を希望する寄附が50件1,027万円余と全体の約9割となっているところであります。
助成に当たっての配慮でありますけれども、助成に当たりましては、公益的活動であれば事業費だけでなく人件費等の運営費等にも幅広くお使いいただけるようにしております。18年度からは各団体の活動に支障のないよう、年度当初に交付いたしたいと考えております。また、寄附の状況にあわせて、交付時期については登録団体が利用しやすいよう柔軟に対応いたしてまいります。
助成事業の成果のPRが本市寄附文化の醸成のために必要との御意見でありますが、私もこれは宇都宮議員おっしゃるとおりだと考えております。
そこで、助成を受けた事業について、寄附をいただいた方にお知らせをしていくとともに、活動報告会やホームページの活用などによって積極的に周知を図ってまいります。また、助成を受けた団体みずからもそれぞれ広報に努めていただくなど、本市と市民活動団体が協働してこのファンドが市民に根づいていくように努めてまいりたいと思います。今後もぜひPRに御協力いただければというふうにお願いをさせていただきます。
以上、答弁申し上げます。