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現年度議案関連質疑 【宇都宮充子】

2008年 第1回定例市会(2008年2月13日〜3月25日)

予算関連質疑

ネットワーク横浜 宇都宮充子

私は、ネット市民の党、無所属クラブを代表し、2008年度予算に関連して質問をしてまいります。

まず初めに、PFIについて伺います。
2008年度に民間と行政がそれぞれの資源やノウハウを活用し、公共的な事業展開や質の高いサービス提供につなげていくとして共創推進事業本部を都市経営局に設置しました。その推進本部に所管されている業務にPFIがあります。
英国で生まれたPFI事業は、平成11年にいわゆるPFI法が施行されて以来、国を初め全国の地方自治体においてさまざまな分野で導入され、現在、290件を超える事業化が進んでいると聞いています。そのすべてが順調に進んでいるとは言えないようで、需要予測の見込み違いから事業が中断したPFI事業や、先日も関西のある都市でPFIによる施設整備を組み入れた病院事業が経営計画の見直しを迫られているといった新聞報道もありました。このような幾つかの事例は、長期に及ぶPFIの事業期間におけるリスク分析と、そのリスクが顕在化したときの対応方法や適正な事業規模、そして、PFI以前の問題として事業そのもののあり方など、PFIを進めようとする者ヘの示唆を与えるものだと考えます。
一方、本市においては、戸塚駅西口再開発での仮設店舗の建設、運営を初め、既に4事業がPFI事業としてスタートしており、また、3事業については実施の手続を進めていると聞いています。さらには、新市庁舎や戸塚区庁舎などについても事業手法の一つとしてPFIの検討が行われるなど、今後も事業化が進められていくことが予想されます。
これまで本市におけるPFI事業についてはスタートしたばかりで検証はできていません。一方、先ほど触れたPFIに内在する一種の危うさを考えると、事業化に当たっては、PFIありきという安易な導入ではなく、事業内容の精査や財政負担の将来見通しなども含め、さまざまな視点から慎重な検討と事業の厳選化が求められます。
そこで、本市がPFIの導入を進めるに当たっての基本的な考え方について改めて市長に伺います。
PFIについては、依然として不安な点、まだまだ改善していくべき点は多いと考えます。安定した市民サービスを提供することは行政の務めであり、失敗することにより市民サービスの低下を招くことは断じてあってはならないと考えます。そうした事態が起きないよう、導入効果についてまずきちんと検証し、さらなる研究を重ねるべきと考えます。にもかかわらず、今回、共創推進事業本部を設置し、あえてPFIを都市整備局から移管するわけですが、検証どころか、かえってPFIありきで、その導入拡大に向けて力を入れているかのように受けとめられるところです。
そこで、新たにつくる共創推進事業本部においては、PFIも含め、指定管理者制度や市場化テストなど、各局に分散している民間との連携手法を集約するとのことですが、PFIを事業本部に所管される意図は何か、伺います。
PFI事業についてはさまざまな懸念や課題が指摘されているところですが、重要なことは、事業の審査や契約、あるいは長期にわたる維持管理期間における事業効果の確認などにおける高い透明性と客観性の確保と考えます。

次に、温暖化対策について伺います。
ノーベル平和賞を受賞したアメリカの元副大統領アル・ゴア氏の著書「不都合な真実」では、地球上で起こっているさまざまな環境異変から地球温暖化への警鐘を鳴らしています。まさに今、地球は危機的状況にあることを認識し、国、地方自治体を挙げて取り組まなければならない重要な問題です。
本市は、2008年度に地球温暖化対策事業本部を設置し、2025年までに市民1人当たり温室効果ガス排出量の30%以上の削減に向け、CO−DO30、横浜市脱温暖化行動方針の具体化に向けて取り組むことを掲げました。エネルギーや物を消費し、廃棄している生活者一人一人の行動の積み重ねが、地域の環境だけでなく、地球環境に大きな負荷を与えていることは歴然とした事実です。しかし、一人一人の市民にとってみずからの生活と地球環境とのつながりはなかなか見えにくいものです。この温暖化対策の取り組みは、市民、行政、企業、NPOなどの多くの主体が共通認識のもとに連携して持続可能な社会づくりに向けて取り組まなければ目標達成はできません。
今、市民、NPOレベルで環境NPOバンクができ、エコロジーファンドなどができています。足元から地球温暖化を考えるとして、古い冷蔵庫を省エネ型に買いかえることでCO2排出量の削減と電気料の節約になることに着目して融資を行い、買いかえ促進を図っているNPOが出てきています。
そこで、横浜市脱温暖化行動方針、CO−DO30では一人一人の脱温暖化行動から社会を変えると掲げていますが、市民にどのような行動を期待しているのか、伺います。
1992年6月、ブラジルのリオデジャネイロで地球サミットが開催され、環境対策に具体的に取り組む行動計画、ローカルアジェンダ21が策定されました。まず、生活の場である地域社会の環境について考え、自分たちの町の地域ニーズは何か、環境の視点から考えたときに施策はどうかなど、大勢の市民が議論し、行動計画をつくるところから始めることが環境を考える街づくりの着実な一歩になると考えます。市民や事業者、行政が連携し、協働した環境行動の推進に向け、環境をベースに地域の総合的な区版のローカルアジェンダ、行動計画づくりを進めるべきと考えます。
そこで、地域で活動する市民、NPO、事業者などの行動を結集するためにどのように取り組みを進めていくのか、伺います。
ここ数年、日本全国で事業採算性の観点から鉄道、バス路線の廃止が多く行われ、本市においても昨年、不採算バス路線の廃止が断行されました。欧米諸国では公共交通は市民の足として公共性が認められ、ある程度税金で負担することは当然との認識があります。本市の運輸部門におけるCO2排出量は全体の26.4%であり、全国平均より4ポイント以上上回っており、大きな問題となっています。今後の交通政策の検討に当たっては、温暖化防止の観点を明確にした自動車利用の抑制、環境負荷の軽減や都心部への自動車交通の流入を抑制していく規制や誘導も検対していくべきと考えます。日本は今、先進国に例を見ない速さで高齢化が進んでいます。元気な高齢者の社会参加を保障する外出のための環境整備としても公共交通は重要です。
そこで、地球温暖化対策の重要性や少子高齢化の進展などを踏まえて公共交通の果たす役割について伺います。

次に、自治、分権の視点から質問いたします。
横浜では、これまで市民がみずからの生活課題や身近な地域課題を解決するために市民の活動や市民事業が広がってきました。その活動は、ボランティア的なものから、NPO法が成立してから急増したNPO法人や地域に貢献する市民事業などです。家事介護や温かい食事を提供する配食サービスなどの分野で公益的な仕事を担う意志と力が生まれ、新しい公共の担い手となっています。2004年には横浜協働推進の基本指針が策定され、横浜夢ファンドやコミュニティーローンなど資金面で応援する施策もでき、これまで行政と市民活動、NPOとで試行錯誤しながら協働の実績を積んできました。
そこで、市民との協働についてこれまでの取り組みをどのように評価、認識しているのか、伺います。
NPO、市民との協働は、暮らしやすい社会や地域をつくる共通の目的を達成するために、行政とNPOという異なる組織がそれぞれの強みを生かして役割と責任を分担し、プロセスを共有し、成果をつくり上げることだと考えます。かねてから多様化する市民ニーズに行政が税金ですべてを賄うことは無理と主張してまいりましたが、低成長時代にあって、ますますその役割を大きくしていかなければならない現状があります。いまだ企業と競い合い、やりがいのある就労の場としてセクターを形成するまでには至っていません。本予算に共創推進事業本部の設置が計上されていますが、改めて市民活動の担い手の力が発揮できるように、今後、さらに本市としてどのように取り組みを進めていくのか、伺います。
中期計画に掲げている地域元気プロジェクトの取り組みとして、元気に自治する地域をモデル地区に、そこで活動する自治会・町内会、NPOやボランティア団体などが集まり、地域の課題の解決に向けた取り組みが始まっています。そのモデル地区の一つである戸塚区にあるドリームハイツは、2,300世帯が住み暮らし、築36年がたち、高齢化率は24%になり、10年後には50%になると予測されています。このドリームハイツでは、入居当初から、みずから必要とするサービス、自主保育の会、地域給食、元気高齢者の居場所や地域拠点などをつくり、NPOや市民活動団体が自主運営をする地域自治、市民自治の実践があります。その7団体と自治会が加わり地域運営協議会をつくり、アンケート調査を行うなど、地域全体でこれからの街づくりを模索し始めています。このような取り組みを局、区役所が支援、協働することで力が倍化します。これからこのような自治する地域をふやしていくことが重要です。
そこで、市民自治につながる市民主体の地域運営を今後どのように展開していくのか、伺います。

最後に、分権について伺います。
362万人の大都市横浜は、市民にとって市役所、市議会は余りにも遠過ぎます。経済成長が右肩上がりの時代は、経済のパイを大きくすることで山積みの生活課題を解決できるかに見えましたが、今や限られた財源の中で18区の多様な市民ニーズを市役所で的確に把握し、きめ細やかな施策を提供していくことは限界が見え始めています。また、市民にとって市議会が遠いということは市政への無関心を助長することにもなります。これまでも大き過ぎる横浜を市民が自治できる規模、区に分権し、市民の声が反映され、より近いところで政策が決定できることが重要と提案してきました。現状の区役所においては区民会議や地区懇談会は広聴の場として位置づけられ、そこでの提案が区の予算計上や政策決定に十分に生かされているとは言えません。市民の声が事業評価や施策の提案などに反映でき、より一層の区政への参画を進めるべきと考えます。
そこで、区議会のない現状を補完する仕組みとして、市民の声を反映させるため、政策決定に参加できる場としての仕組みが必要と考えますが、伺います。
これまで区づくり推進費の増額などが進んでいますが、地域ごとの課題に素早く対応でき、市民参加でつくられた地域福祉計画や街づくり計画などを実賎し、市民ニーズにより細やかに対応することが区の自立性を高め、機能強化、分権へとつながります。市民にとってより身近な区役所にするためにも、自由度の高い区予算制度にしていくべきであると考えますが、伺います。
ここで思い切った区役所の機構改革や区予算制度の改革を進めるべきと考えます。今後の区役所のあるべき姿についてどのように考えているかをお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)

市長の答弁

宇都宮議員にお答えを申し上げます。
まず、PFI事業の取り組みについての御質問をいただきました。PFI導入の基本的考え方ということでございますけれども、さまざまな公的サービスの提供に当たっては、その事業にふさわしいサービスの主体や事業手法を選択することが重要だと思っています。PFIを導入する事業は、民間の創意工夫の活用余地が大きく、そして専門的な技術、ノウハウが生かせる事業や、施設の整備から維持管理まで一括して取り扱うことによってコスト縮減効果が高い、そういう事業などを私たちはやはりPFIに適している事業と考えているわけであります。今後も実施効果の高いこのような事業を中心に導入を進めていきたいと思っております。
PFIを共創推進事業本部が所管する理由でありますけれども、PFIを含めて指定管理者制度など民間との連携手法については、コスト縮減とよりよいサービス提供という点で効果の高い手法であると考えておりますが、モニタリングのあり方など横断的な視点から取り組むべき課題があると認識をしております。具体的に申し上げれば、行政と民間の双方の視点で徹底した検証を行う、これは宇都宮議員がおっしゃったとおりでもあります。よりよいサービスが提供できるように民間との連携に関するルールを策定すること、サービスの質の確保と継続性を担保したモニタリングの手法を確立すること、こういったことなどを進めていく必要があります。そのために、PFIを含めて民間との連携手法を事業本部に集約し、おのおのの知識やノウハウ、情報を共有、蓄積するということであります。まさに宇都宮議員、きちんと検証しろとおっしゃったわけであって、またそして、にもかかわらず、何で事業本部をつくるのだという論理はちょっとわからないのですけれども、だからやるのです。だから、そういう手法をもっともっと高めて検討していきましょうということなのでありまして、ただし、事業本部はそのことだけをやるのではないのですよ。もっともっと広く、PFIだけではない、PFIはもちろんその中の一部分、それ以外にもいろいろな企業の力をもっともっと公共を高めることに一緒になってやれないか、そのことを考えたり、また実践したり、そういったことのために共創推進事業本部をつくっていくわけであります。

次に、温暖化対策の推進について御質問いただきました。市民に期待する脱温暖化行動ですが、市民一人一人の日常生活の中での省エネ行動や脱温暖化型の消費行動が環境負荷の少ない生活スタイルへの転換やエコマーケットの拡大につながることが重要であります。具体的には、日常生活の中で小まめに、いろいろな各種電化製品のスイッチを切ったり、それから、例えば冷暖房を適温に調整することなどのエコライフへの転換や省エネ型の家電製品や低燃費の自家用車を選択するというようなもろもろ消費行動が必要でありますし、それを期待していかなければいけないし、また、我々としてもそれを促していかなければいけないし、もしも可能ならば、仕組み、そういったものも含めてやはり構築をしていく必要があるだろうと思っているわけであります。一人一人の行動は小さくても、地球環境に与えている影響は結果として全体では非常に大きいわけですから、そういう意味では一人一人の行動をやはり少しずつ改めるということは大きな成果に結びつくと考えてやっていかなければならないと思います。
地域で活動する市民、NPO、事業者などの行動を結集するための取り組みでありますけれども、各行動主体が目標を共有して協働して取り組んでいくことが重要であります。そのために、市民、事業者、行政から成る横浜市地球温暖化対策推進協議会で実施している普及啓発などの取り組みをさらに拡充するとともに、各主体が集い、交流し、学び合う、例えば環境市民大学を創設したり、各主体が情報発信し、幅広く議論を重ねることができる場づくりを進めていきたいと思います。
公共交通の果たす役割でありますが、通勤や通学など市民生活を支える交通手段でありまして、特に高齢者にとっては日常の交通手段として重要な役割が期待をされているわけであります。また、運輸部門は温室効果ガスの削減が強く求められているわけで、公共交通はエネルギー効率が高く、環境に優しい交通手段として地球温暖化対策の視点からも重要な役割を担うと言えます。
自動車の利便性は現在は否定はできませんけれども、しかし、過度にマイカーに依存しない社会をつくっていくことは極めて重要でありまして、そうした社会に転換をしていくために、公共交通の役割を十分発揮できるような施策も進めてまいりたいと思います。

次に、区への分権についての御質問をいただきました。協働の取り組みの評価でありますけれども、これまで市民に身近なところから協働の実践事例を多く生み出して実践の成果を市民と共有することを目指して取り組んできました。協働という言葉、この数年でやはり横浜市の中には根づいてきたと思います。協働という言葉も、あるいはNPOという言葉も、七、八年前の議事録を見たら、議会における議論の中で出てこないですよ。そういう意味では、やはりG30や地域での防犯活動、災害時の要援護者対策、地域子育て支援拠点の設置、いろいろな分野で協働の取り組みは進んできたと思いますし、ある意味では、例えばNPOを考えれば、NPOで欠けていたのはやはり資金ですから、そういう意味で協働ファンドをつくったり、こういったことを努力してきたわけでありまして、そういう意味では大分進んできたとは思っております。
市民活動の担い手が力を発揮できるような取り組みでありますけれども、社会経済情勢の変化に伴って市民や行政が単独で対応することが難しい新たな課題が増加して、解決に向けて柔軟かつ多様な取り組みを行う必要があります。今後さらに横浜の多様で豊富な人材や活発な市民活動など、市民力が最大限に発揮されるように、市民と行政との協働とともに市民相互の協働も進めていくことが必要でありますし、地域の運営主体の力を高めて新しい公共の創造に取り組んでいきたいと思います。
市民主体の地域運営の今後の展開についてですが、市民主体の地域運営は、さまざまな団体や市民が連携をして地域の課題に取り組むことによって満足度の高い地域を目指しているわけであります。19年度から始めたモデル地区においては、自治会・町内会やNPOなどが連携をして高齢化する地域にどう対応するかといった課題などについて解決に向けた取り組みが進められております。20年度はモデル地区を8地区程度にふやし、地域における取り組みを拡大してまいります。こうした市民主体の活動が多くの地域に根づいていくことで地域自治の発展につなげていきたいと思っております。
区民が政策決定に参加できる場についてでありますけれども、これも宇都宮議員を初めとして、ネット横浜の皆さんがこれまでおっしゃってきたことも十分踏まえて、さまざま広聴手段や協働事業などを通じて区民の声や評価もいただきながら、区政を運営することについては大きくかじを切ってやってきたわけであります。暮らしやすいというふうに一緒になって共感をしてもらえるような、そういう地域をつくっていきたいわけですから、その意味においては、これまで以上に区民参加による区政運営を進めるということは極めて重要だと思っています。20年度は区政運営に区民の声をより反映させていくための仕組みづくりについて私たちは検討していきたいと思っていまして、例えば市民や学識経験者の皆さんからも御意見をいただいて、またさらなる課題を私たちとしてはみずからに課していくこともやっていきたいと思います。
より自由度の高い区予算制度についてでありますけれども、地域の課題にきめ細かく取り組めるように、17年度予算編成から自主企画事業費を大幅に増額をしてまいったわけであります。また、区が局と連携して課題の解決を図っていく区局連携事業を創設するなど、地域特性やさまざまなニーズに主体的に対応できるよう改善を図ってまいりました。今後は市民相互の協働による地域運営の推進や地域に根差した政策の実施に向けて区役所がより使いやすい予算となるように努めます。
区役所のあるべき姿ということでありますが、区民ニーズ、あるいは社会情勢、こういったものをやはり的確にとらえて、そして、何よりも地域の課題解決のためには区民と一緒になって考え、行動していくということが私は区役所に求められているあるべき姿、そう思います。そのためにということで申し上げれば、地域の課題を把握して、その解決を図る政策立案機能や市民による地域づくりを推進する地域支援機能が充実していること、地域コミュニティーの活性化が促進され、区政運営への区民参加など地域自治が推進をされていること、行政サービスが身近なところで適切に提供され、区民満足度が向上していること、こういったことなどに取り組んでいきたいと思っております。
いずれにしましても、やはり区役所は横浜市の行政組織の中においては、区民からすれば一番利用する、横浜市役所といって思いつくのは、やはりそれぞれの区役所が筆頭だと思いますから、そういう意味において、魅力、活力ある地域社会をつくっていくために、まさにそれぞれの区がそれぞれの区民と一緒にやっていく区役所、これがあるべき姿として進めていきたいと思っております。
以上、答弁申し上げます