教育基本法を改正する必要はない
荻野けい子(市議団副団長/金沢区選出)
11月15日、教育基本法改正案は衆議院において野党欠席のまま賛成多数で可決され、22日には参議院特別委員会での審議が始まりました。
戦後60年の間に子どもを取り巻く環境は激変し、教育が多くの課題を抱えていることは確かです。しかし、拙速に安倍政権が押し進めている教育基本法改正は、現在大きな問題となっている学力低下や学級崩壊、いじめ、不登校などの解決に直接結びつくものではありません。そもそも教育基本法は、敗戦直後に、それまでの国家主義な教育理念を反省し、個人の尊厳、個人の価値の尊重のもとにつくられたものです。「いのちの大切さ」をはじめ、一人ひとりの人格を重んじた重要な法律であり、平和憲法と結びついてきました。
早急な改正が必要かどうかの議論もなく、改正案への国民の理解も進んでいない中で、政府・与党が強引にすすめるべきでありません。ましてや愛国心や公共性、伝統文化の尊重は、法律として強制力を持たせたり、他者が評価したりするものではなく、それぞれが心の中に持っているものです。国からの「押し付け」であってはならないと考えます。
憲法改正を公約とする安倍政権は、戦後民主主義や平和主義を否定し、自ら描く「美しい国」日本を掲げています。その安倍政権が描いたシナリオの第一段階が教育基本法の改正です。
今問われるべきは教育基本法の改正ではなく教育制度そのものです。学校現場で起きている状況をしっかりと把握しながら、学校と家庭、地域との連携を含めた学校教育のあり方そのものを見直していくことが、教育基本法の理念を生かすことだと考えます。

